糖質が脂肪に変わる割合を調べた

なぜ痩せるには糖質カットが有効なの?!

「糖質は脂肪に変わるんですよね。だから糖質の多い炭水化物をカットすれば、痩せるんですよね。」
と、40代女性の方とのお話です。

 

最近はコンビニでも糖質が表示された物をみかけます。

実際に、2001年に13人の女性を対象に、1日に必要なカロリーに50%を上乗せした食事(そのうち炭水化物27%、脂肪23%)を摂取してもらい、糖質が脂肪に変わる割合を調べた実験では、360〜390gの炭水化物(糖質)に対して、脂肪合成は3〜8gしか起きなかったという報告がされています(アメリカ臨床栄養学学会)。

※ 脂肪合成・・・生物が脂肪を合成すること.アセチルCoAが材料になり,NADPHを還元剤として合成される.

逆に、食事の質や量を減らしたりすると、食欲が満たされず、「飢え」を生みます。その状態が続くと、カラダは飢餓による生命の危機に備えて、少量の食事でも生きていけるように基礎代謝量(生きていくために必要なエネルギー消費)を下げます。

 

基礎代謝が下がったからといって、脳や心臓の活動レベルを急激に落とすわけにはいきません。そこでカラダは、保管されていたグリコーゲンを非常食として使い、脳の栄養をまかなおうとします。そのときに、3~4倍にあたる水分も同時に体外へ排出されるため、体重は4倍近く減少し、見せかけの「やせた!」状態になります。

 

※グリコーゲン
グルコース(ブドウ糖)がたくさん繋がって出来ている、多糖類という成分。

 

炭水化物 = 太る
ではないことをお分り頂けましたでしょうか。

 

もちろん炭水化物を食べ過ぎると、過剰分は中性脂肪に変換されて脂肪になりますが、とは言っても1日で一気に体脂肪増にはなりません。

 

日々の積み重ねです。

蓄積です。

 

なので、糖質は制限ではなく改善、コントロールです。

体重を減らしたいのに、基礎代謝を下げてしまっては元も子もありません。

体重が減っても体脂肪が落ちてなければリバウンドします。

 

テレビや雑誌、ネットの情報に掲載されているのをすぐに鵜呑みにせず、炭水化物→糖質→ブトウ糖→グリコーゲン・・・など、深掘りするとたくさんの発見があります。

 

ではなぜ 糖質制限 がブームになったのか。

やせることが無条件に美しさ、カッコよさ、聡明さ、自己管理能力の高さと結びつく、人類史稀に見る社会状況にフィットすることにより糖質制限はブームになったと考えられます。

 

「食べたいけどやせたい」という現代人特有の欲望が情報社会と混じり合って、標準体重ではあるけど見た目に納得いかず糖質制限に走ってしまう傾向が多く見られます。

 

確かに物に溢れている現代、日本で栄養失調で餓死するという事はほとんどなく、逆に現代の食生活は食べ過ぎと言われる事もしばしば。明治や戦前の日本人は、総摂取カロリーの7〜8割が米飯(主に白米)だったにもかかわらず、2型糖尿病がほとんどなかったそうです。

 

それだけ運動量が多かったという事です。

 

運動量 > 摂取量

 

糖質はエネルギーに変わります。エネルギー(糖質)がないと最大限のパフォーマンスが出せません。なので糖質は制限ではなくコントロールです。最大限のパフォーマンスが出せたほうが効率的に結果を出せます。

 

糖質は余剰分が脂肪に変わるのです。

 

いわゆる食べ過ぎです。

 

ただ糖質を摂らなければ痩せるという安易に糖質制限をすると、カラダを壊してかえって逆効果にもなりかねません。

 

糖質との向き合い方は大きな課題ですが、食べたいものは食べてストレスなく付き合っていける方法で行うことをおすすめいたします。

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